boy meets girl【part1】
初めに
今回は、神奈川県横浜市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」の利用者である、菜摘草司さんから長編の創作作品の投稿があったため、今週から4回にわけて連載していきます。
登場人物
咲ちゃん
年齢:高校一年生
部活は、華道部始めたばかり、花が好きみたいだ。
咲ちゃんは、何も考えていない。完璧な天然。
ただ、花が好きでお父さんとお母さんが好きで、景色を眺めているのも好きだ。
ボーとして見ている。そして、すご~い、が口癖。
髪の毛はショートでボブにしている。学生服がよく似合う。
良くん
年齢:高校一年生
部活は、バスケ部、中学でもバスケ部。
良君の格好は、学生服だか、私服だかよく分からない。
ヨレヨレで近所のお兄ちゃんからもらった制服だ。
あまり、キチッとしていない。髪は、ボサボサ。ネクタイはしていない。
一人っ子、母子家庭、アパートに住んでいる。
眼だけはギラギラしている。案外かわいい顔立ち。
ハンサムではない。スマホ持っていない。仲のいい友達が数人。
家庭の事情で、大学進学は、あきらめている。
だから、高校の3年間、バスケに没頭しようと考えている。
高ちゃん
高校一年生
咲ちゃんと同じクラス、入学式で、知り合い、友達になった。
部活は、バレーボール部、体育館のバスケ部の隣のコートで練習している。
良君の事も気になっていた。
中学の時は、水泳部、体は、がっちりしている。
バレーボールは、初心者だけど、なかなか、うまくこなしている。
背が高く童顔、ショートヘア。
始まりの合図
下校の途中、校門のところで・・・・
良「どうしたの?転んだの?大丈夫ですか? あれっ! 君、昨日、学校の帰り校門で、何人かと話をしてなかった?」
咲「え~! どうして知ってんの?」
良「チョット、気になってさ、少し見てしまった。」
咲「私、おっちょこちょいだから、すぐ転んじゃったりするの。でも、大丈夫、少し痛いけど。」
良「今日は、一人⁉ 一緒に帰らない?」
咲「えー!いいよ‼ 今日は、みんな、部活だし私は部活、週2回で、今日は休みだから!」
良「僕も今日、部活ないんだ。」
咲「あなたは、何部、スポーツ系、文科系、それとも音楽系?」
良「えっ! 僕かい、バスケ部あんまり、背高くないけど、バスケ、好きなんだ‼」
咲「ひぇ~! バスケ部だったの、どうりでスラッとしている。でも、髪の毛ボサボサね⁉ まぁ、いっか⁉ 一緒に、帰ってあげる‼」
良「じゃ‼ 行こうぜ‼」
今日は、放課後、下校の途中、昇降口で、咲ちゃんが良君をつかまえて、話し込んでいる。ちょっと、覗いてみると・・・
咲「きのうさぁ、帰り校門のところで待ってたのに、どうして来なかったの? 部活、休みだって言ってたじゃん⁉」
良「ごめん・・・・・」
咲「それ、どうしたの、ほほ腫れてる・・・・」
良「・・・・・・・」
咲「言いなさいよ! スッキリしちゃえ‼」
良「今は、言いたくないんだ。ごめん・・・・」
咲「あっ、帰っちゃうの、私をおいていくの⁉」
良「ごめん、また今度。じゃぁ。」
タッタタタタタタ‼
咲「あ~あ、走って行っちゃた。走ると早いからな~、あいつ‼ あ~困ったなー‼」
高「どうしたの、咲。」
咲「あれ~、高ちゃん、高ちゃんこそどうしたの? 部活じゃないの?」
高「足ケガしたって言ったじゃない。」
咲「あーそうだっけ⁉ 高ちゃんバレー部だよね!」
高「見てたよ! いつの間にバスケ部と仲良くなったの? なんか、やけるなー⁉」
咲「別に、一緒に帰っただけだもん・・・」
高「あの子、バスケ部の一年生でしょ!」
咲「うん。良君って言うんだ。」
高「へ~~~~そうなんだ~~~~!」
咲「なーにそれ! あいつから声かけてきたんだもん。それだけ。」
高「へ~~~~そうなんだ~~~~!」
咲「なーに、なに、それ! もぉ~~~。」
次の週の放課後、校門の片隅で良君が、校門の門に寄りかかって、空に浮かんだ白い入道雲を何気なく見ていると・・・
咲「何見てんの⁉」
良「ビックリした~。あっ、よっ、待ってたんだ!」
咲「私の事、待ってたんだ‼ 私に何か話があるの?」
良「まぁ~、何があるわけじゃないんだけど。」
咲「じゃぁ、何? 何、何?」
良「そんなに、俺の事気になるの~?」
咲「バーカ!」
良「なに、それ!」
咲「バーカ、バーカ! 知らない‼」
良「でた、一人芝居。まあ、いいや、あのさ、う~ん、あのさ・・・?」
咲「早く、言いなさいよ‼」
良「あのさ、今度、ディズニーランドに行かない?」
咲「え~! ん~! ちょっと考えさせて、お母さんに言わなきゃならないから!」
良「分かった‼ 今日一緒に帰れる?」
咲「今日、友達も部活ないんだ。だから、一緒に帰る約束しちゃった。ごめん‼」
良「いいよ、分かった、またな‼」
咲「じゃあね‼」
次週へつづく・・・