エリー my love 第四章 栞のテーマ
初めに
神奈川県横浜市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」の利用者である、菜摘草司さんから長編の創作作品の投稿があったため、4回にわけて連載しています。今回は第4章まである最終章です。
9.at the 片瀬江ノ島駅
PM3:00
片瀬江ノ島駅で二人は新宿行きの急行に乗った。藤沢駅で良は降りて、エリーは、そのまま新宿に向かうつもりだ。
良「もう藤沢だ、俺はここで」
エリー「イヤ!」
良「ダメだよ! 今日知り合ったばかりで、一緒にいるのは。」
エリー「なぜ、そんなお説教ばかり言うの? 私は子供じゃない!」
良「俺から見れば、じゅうぶん子供!」
エリー「いくじなし!」
良「その手は食いません、あしからず!」
電車のドアが開く
良「さようなら! 痛てー! なにすんだよ! 蹴っ飛ばすことないじゃんか!」
エリー「バカー!」
ドアが閉まる
エリー「あーあ! 行っちゃった! 名前も電話番号も聞かなかったな。」
エリー「まぁ、いいか! 100年の恋も冷めたって感じ。」
10.わかれ、そして~
新宿へ向かう途中で・・・
「お嬢ちゃん何泣いているの?」
エリー「・・・」
「あの男になにかされたの?」
エリー「・・・」
「気をつけなさいよ!若いうちは、いろんなことがあるからね!」
エリー「うん」
エリーの瞳から涙がとめどなく流れた。
良は藤沢駅で電車を降りた後、駅に隣接しているビルのスターバックスコーヒーに入って、エスプレッソを貰い、二人掛けのイスにに座った。
すると女の人がやってきて
謎の女性「相席していい?」
良「はい、いいですよ!」
謎の女性「ちょっと君、何ウカナイ顔しているの?彼女にでもフラれた?」
良「そういうわけでは、ないんですけど!」
と、良は今日の出来事を話してみた。
謎の女性「そうね君、5年後今日、また、ここへきなさいよ!」
謎の女性「彼女にまた、会えるかもよ!」
良「本当ですか?」
謎の女性「あっ! もう、電車が来る時間! もう、行かなくちゃ! じゃあねー!」
タッタタタタター
女の人が去ったあと、テーブルの上に残されていたものがあった。
それは、ひとひらのあじさいの花びらだった・・・・・
~End roll~
Ellie My Love
(レイ・チャールズ) 訳詩:菜摘草司
私はあなたのことを苦しませたことがあった
あなたから離れて、時がたち
そして、愛を見つけようとしているとき、また、あなたに巡り合った
この世界であなたと二人で幸せになりたい
私のそばで微笑んでいてほしい
エリー甘い愛の予感