エリー my love 第一章 そんなヒロシに騙されて

初めに

今回は、神奈川県横浜市の就労継続支援A型事業所ほまれの家横浜」の利用者である、菜摘草司さんから長編の創作作品の投稿があったため、今週から4回にわけて連載していきます。

登場人物

大学卒業2年目の社会人、現在横浜で一人暮らし。
昨日の夜、徹夜で仕事をしたので、今日は代休をとり、いつもより遅く起き私服に着替えて、何も考えず鎌倉に来てしまった。

エリー

女子高に通う女の子17歳、高2ポニーテールがよく似合う。
東京在住、両親とこの頃口を利かない。
今日は学校をサボって東京駅から横須賀線に乗り鎌倉へときた。

1.序章 出会うまで~

PM10:00

エリーの母「エリー、ヒロシくんから電話よ! こんな夜遅くに!」

エリー「はぁい、もしもし」

ヒロシ「エリー、この前も言ったけど俺達もう高2だろ、進学のことも考えなくちゃいけない時期だと思うんだ。」

エリー「だから何?」

ヒロシ「少し時間をおかないか。」

エリー「別れようといってるの?」

ヒロシ「時間をおいて、また良かったら会おうよ!」

エリー「あの時、私になんて言ってキスしたか覚えてる?」

ヒロシ「・・・・・・」

エリー「何とか言ったら! えっ!」

ガチャ、ピーピーピーピー

エリー「ひどい!」

会社で・・・

良の同僚「またさぁ、あいつがヘマしたんだって!」

「もういいだろ!そんなこと言ってる合間に、仕事片付けちゃおうぜ!」

良の同僚「良は、いいよなー! 優しすぎるよ! 俺は一年生の面倒なんか見れないな!」

「そうか、じゃあ10時まで手伝ってよ! あとどうにかするから。」

良の同僚「いいの、それで。」

「いいよ、頼んだの俺だし。」

良の同僚「わりいなー、それじゃ10時まで。」

2.出会い at the 北鎌倉

エリー

昨日のことで今日は、学校をサボって東京駅で横須賀線に乗り鎌倉に来た。
エリーは、この前テレビで見た鎌倉に少し興味があって、新宿駅で売店のおばちゃんに鎌倉にはどう行くんですか? と聞いたところ、この電車に乗るように言われた。
北鎌倉で降車し、なんとなく円覚寺の境内に続く階段を上っていた。

昨日の夜徹夜して仕事を終えた。
自宅に帰って少し寝てから会社に電話をかけ代休の申請をしてから、今日は休みにした。
なんだか、家にいるのがイヤになり、小さいころから母親によく連れられて行った鎌倉に久しぶりに行くことにして、横浜から電車に飛び乗り北鎌倉まで来た。
ふと円覚寺の階段を見上げるとミニのスカートをはいたポニーテールの女の子が一人上っていくのが見えた。

平日の朝に一人か? 学校の課外授業かな?
いいや! 円覚寺の舎利殿久びさに見てみるかな。

at the 円覚寺

拝観料受付のおばちゃん「あなた学生さんでしょ。今日は学校、休み?」

エリー「・・・・・・」

拝観料受付のおばちゃん「どうして黙っているの・・・・?」

「あっ! おばちゃん、この子、僕の教え子。今日、課外授業なんだ! 大人一人と学生一枚、学生証出して、さぁ行くぞ!」

「ここでちょっと休憩、トイレもあるし自動販売機もある。いいかい?」

エリー「・・・・・」

「まぁ、すわって! 水飲むかい? 今買うから。」

エリー「・・・・・」

「トイレは?」

エリー「・・・・・・・・・・・・・」

3.at the 北鎌倉:円覚寺休憩所

5分後・・・

エリー「もう大丈夫、ありがとう!」

「ダメダメ今離れて歩いたら、補導員に通報されて補導されちゃうよ! すぐ帰ることになるよ!」

エリー「じゃあ、どうすればいいの?」

「俺、良。君は?」

エリー「私、エリー。」

「エリーか、いい名前だ! もう、落ち着いたかい? 落ち着いたらトイレに行って、水も飲みなよ。」

エリー「ゴメンナサイ! あと5分休んだら、境内を少し散策したいな?」

「負かしとけ、説明してあげるよ!」

二人は円覚寺をあとにして、線路のわきの道を歩きながら取り留めのない話をした。

「どこから来たかくらい教えてよ!」

エリー「東京、今、高2。」

「俺、横浜、今日代休。あのさぁ、せっかく知り合ったんだから鎌倉案内するよ! お金もそんなに持ってないんだろ俺、給料のあとだからふところはあったかいんだ! 今日は、保護者のつもりで付き合うよ!」

エリー「ありがとう! 本当にいいの?」

「次は明月院、通称あじさい寺に行こうよ!」

次週へつづく・・・

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