エリー my love 第二章 あじさいの歌

初めに

神奈川県横浜市の就労継続支援A型事業所ほまれの家横浜」の利用者である、菜摘草司さんから長編の創作作品の投稿があったため、先週から4回にわけて連載しています。今回は第4章まである第2章です。

前回までのあらすじ

偶然に鎌倉で出会った社会人の良と、女子高生のエリー。
意気投合し、一緒に鎌倉を散策することになったが・・・

4.at the 明月院

明月院に続く坂道をのぼると坂の途中で行列ができていた。

「あー! やっぱり、並んでいるなでもこの分だと5分くらいで入れるよ! 行ってみる?」
エリー「うん!」

境内に続く階段を上る。
あじさいは、まるで風船のような花のかたまりが、木になっているかのようなたわわに咲いていた。
境内の中は、ところせましとあじさいが、なっているような感じがした。

エリー「すごい! きれい!」

「この、あじさいの青の色、明月院ブルーって言うんだって。」

エリー「へ~、そうなんだ!」

30分くらい散策して、お寺を出るともと来た坂道をおりて鎌倉八幡神宮へと続く坂道を登っていく。
途中、建長寺には寄らず、二人は肩を並べて狭い歩道を歩いていく。
二人は黙ってもくもくと坂道を登っていく。

5.at the 鎌倉八幡神宮

建長寺を過ぎて、少し坂を上ると今度は下り坂になる。
その先の八幡様の駐車場の先の石の階段を上ると、鎌倉八幡神宮の本宮にでる、近道を行く。
本宮の大石段の上から下を見下ろすと、舞殿と参道が見える。
二人は、お賽銭を上げると、大石段を降り始めた。

「あのさー。さっき、お守り買ったんだ! この、八幡宮は、ハト宮と呼ばれているんだって! ハトが幸福をよぶらしいんだ。よかったら、貰ってくれないか!」

エリー「本当! いいの、カワイイ! ありがとう!」

「君の笑った顔、可愛いね!」

エリー「そぉ、初めていわれた。」

6.at the 長谷寺

二人は、小町通りを抜け鎌倉駅から江ノ電バスに乗り、長谷寺まで行った。
長谷寺に入ると展望台まで石の階段を上り、40種2500株あるあじさいを鑑賞しながら、由比ガ浜と鎌倉の街並みを見て、足早に長谷寺を後にした。

「長谷寺の6月のあじさいも有名だけど、3月の終わりの桜の季節もいいよ!」

エリー「へぇー!」

「そうだな、桜の季節は、鎌倉全部がいい! いたるところ、桜、桜になるんだ! きれいだよ! 京都の嵐山には負けるかもしれないが、鎌倉も風情があって、俺は好きなんだ!」

エリー「私、今度ゆっくり来てみたい。ありがとう!」

「どういたしまして。」

次週へつづく・・・

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