【フランス留学記】フランスと日本のサービス業のお話
こんにちは。ほまれの家のココアです。
今日は日本とフランスのサービス業の話をしたいと思います。
以前、サービス業についていたこともあるのですが、日本のサービス業は本当にレベルが高いと思います。
普段は特定の国を指して素晴らしいなどは言わないのですが、サービス、物流に関しては本当に日本は凄いなと感じます。
それというものの、日本のサービス、物流はとにかく早くて丁寧さがあります。それを仕事にするのは大変でしたが、サービスを受ける側になってみるととても素晴らしいのです。
ホームレスになった話
以前のブログでフランスに留学していたことは書いたかと思いますが、実はフランスに行って最初にぶつかった壁が言語でも文化でもなく「家を借りること」でした。
忘れもしない渡航2日目のこと。
借りる予定だったアパートメントの近所の銀行で私は茫然としていました。
賃貸に必要な書類も揃っていて後は家賃振込用の銀行口座を作って提出するだけの状態になっていた私は銀行に向かいました。口座を作るためです。
フランスで銀行口座を作るには以下の書類が必要です。
- 滞在証明書(VIZA)
- パスポート
- 住居証明
- (私の場合は留学だったので)入学証明書
以上の書類を揃えて銀行に向かい、無事銀行口座を開設出来たと思ったら言われたのが
「明日には銀行口座に入金できるようになるからまた明日来て。」
日本で銀行口座を作るのはほんの1時間もあれば済みます。何故明日なのか、銀行が小さい支店だったからかと混乱した私は町で一番大きな銀行の支店に向かいました。そこで言われたのは
「もう手続きは済んでいるのになんで来たの?」
でした。
その日のうちに銀行口座の開設が済み、敷金と今月の家賃を払って今日中には自分の部屋で寝られると思っていた私はここで漸く、銀行口座の開設が今日出来ないことを知ります。
「今日寝る場所がない。」
異国の地で、住所もまだないので携帯も使えず、途方に暮れた私はとりあえずアパートメントに戻り、賃貸管理をしている人に現状を話しました。
恐らくよほどひどい顔をしていたのでしょう。
管理人さんは私の肩を叩いて
「近くのホテルの空き状況を確認してあげるから今日はそこに泊まりなさい。」
と言ってくれました。
そのまま放り出されていたら多分野宿だったかもしれません。
ホテルの場所を検索することすら出来なかったので、下手したらそのまま
「女子大学生、フランスで行方不明に。」
なんてニュースのネタになっていたかもしれないのでその管理人さんには足を向けて寝ることが出来ません。
更に苦難は続きます。翌日銀行に行った私は、漸く銀行口座に入金が出来ました。これで入居出来るかと思いきや、
「入金したのを登録するのに半日かかるから、送金できるのは明日以降です。」
またか、また私は自分の部屋を今日も手にできないのかとがっかりしながら銀行をあとにしました。
そして3日目、漸く送金、入居が出来てホームレス生活が終わったのです。
賃貸契約を終え、書類にサインをして自分の部屋に入って真っ先にベッドへ倒れこんだのは今も忘れられません。
日本のサービス業
今の話が現代日本で起こったら大クレームになることでしょう。余分にかかったホテル代を寄越せという人もいるかもしれません。
もしかしたら、銀行の口座開設にここまで時間がかかることを言わなかったアパートメントの管理人が悪いと言い出す人もいるかもしれません。
それくらい、日本のサービス業は早く、正確なのです。
それを何の疑問も持たずに当たり前に享受してきた私にとってはとんでもない出来事でした。
前述した通り私はサービス業に就いていたこともありました。その時にはほんの少しのミスですぐにクレームに発展し大騒動になったことも少なくありません。
誰かの便利のために誰かが今も必死に働いています。それなのにサービスの質が少しでも悪いとすぐにクレームになってしまうのです。
夜中に物が買える、その便利さのために働いている人達がいます。
翌日に荷物が受け取れる、その利便性のために動いている人達がいます。
世間が休みの時にも、働いてくれている人達がいます。
これを当たり前だと、当然だと思ってしまってはいけないのだな、と痛感した出来事でした。
日本のサービス業は優秀です。でもそれは、
働いてくれている人達の弛まぬ努力の上に成り立っています。
ほんの少しでもいいのでサービスを提供してくれる人々に感謝をしなければならないなと、これを読んでくださった方に思ってもらえたら今回このブログを書いた甲斐があったと思います。
以上、ココアでした。
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のココアが執筆しました