障害者のための就労体験記:手帳取得から A型事業所利用まで

こんにちは、ほまれの家のココアです。
今回は私が、ここほまれの家で働くようになるまでの経緯をお話ししたいと思います。

「障がい者手帳を取得しないか。」

私がA型事業所で働くことになる、最初の転機は主治医のこの一言でした。
うつ病になり4年、転職を繰り返し、最終的には日雇い派遣で食いつないでいた私は、自分はまだ重症なうつ病ではないと認識していました。

精神科に通ってはいるものの入院したことはないし、服薬していれば普通に生活も出来る。
そんな生活の中で言われた主治医からの一言はなかなか衝撃的なものでした。
自分が障がい者になるのか、という葛藤もあったものの最終的には障がい者手帳を取得すると決めたのです。

◆  ◆  ◆

そんな流れで障がい者となった私がやり始めたのは、「障がい者だからこそ出来る就活」でした。
普通の企業だとまた転職を繰り返すだけ。
今している日雇い派遣も翌日の仕事があるかどうかわからない世界。
加えて日雇いで行っていた軽作業ではなく元々やっていた事務仕事に戻った上で安定した職を求めて、私は「障がい者雇用」について調べ始めました。

調べてみてわかったのは、「今の状態の私が、一般企業で障がい者として就職するのは難しい」という結果でした。

当時、週3日ほど5時間しか働けなかった私はフルタイムでの仕事が難しい状況で、障がい者雇用専門のエージェントに相談しても首を振られるだけでした。

そんな中見つけたのが「障がい者への雇用支援」という福祉サービスでした。
「就労移行支援」「就労継続支援A型」「就労継続施設B型」の3つの種類があり、障がい者の就労を支援してくれるというサービスがあると知ったのです。

ただし、ここでネックになったのが「収入が得られるか」でした。

「就労移行支援」では一般雇用につながる可能性は高いものの賃金は発生せず、安定した収入を得たいと考えていた私には不向きだったのです。
また、「就労継続支援施設B型」は週3日などの出勤で就労が出来ましたが、軽作業などの業務内容でそれなら日雇い派遣の方が稼げる、といったものでした。

最終的に「就労継続支援A型」に就労するのが今の自分に一番合っていると考えた私は、ハローワークに向かったのでした。

「軽作業じゃだめなの?」

これは当時ハローワークの人に言われた言葉です。

前述の通り私は、事務職への就労が希望でした。
しかしながらA型の施設でも事務職を募集している施設は少なく、かなり遠方の施設まで見学に行くこともしばしばありました。
しかし、どれも自分にはピンと来ない、もしくは面接で落とされるそんな日々が続きました。

施設を探すのに疲れてしまった私はこれで最後にしようそう思ってとある施設に連絡します。

それが、ここ「ほまれの家横浜」だったのです。

会計業務ってなんだ

応募した当時、ほまれの家横浜で行っていた業務はWeb開発、会計入力代行、デザインの3業種でした。
経理をやっている友人はいるものの実際何をしているのかわからない。

でもどんな会社にも経理は必ず必要だ。
ならば会計業務の訓練をすれば、経理として一般企業に戻れるのではないか。

一般事務での就業経験しかなく特にこれといった資格も持たない私は手に職をつけたいと考え、会計入力代行の業務を希望で見学に向かいました。

見学に向かった施設は静かで皆さん一人ひとりが自身の業務に集中されている、といった雰囲気でした。
その雰囲気も気に入り、前述の通り会計の業務を行えるようになりたいと考えていた私は、そのまま体験を行うことを決めました。

体験と面接

体験、見学するのにハローワークの推薦状が必要と言われ、ハローワークに向かいました。
見学ももう済んでいて、体験に行くために推薦状が欲しいと言うと書類発行はスムーズでしたが、「ここの施設最近数人取ってるから人数制限的に厳しいかもよ。」と言われ、また選考で落ちるのではないかと少し不安に思いました。

そんな心持ちで迎えた体験2日間ありました。
1日目は名刺の情報をエクセルに入力する作業、2日目は雑誌の記事をワードに転記する作業でした。
久しぶりに朝早くから出かけたのは少しきつかったのを覚えています。

そして、2日目の体験が終了し後日採用通知を受け、私はここほまれの家に採用されることが決まったのです。

え、まだ、手続きあるんですか。

採用が決まったからと言ってすぐに契約を結んで即採用とはなりません。
ここは福祉サービスを行っている施設です。
採用が決まった後には福祉サービスの利用を市町村に申請する必要があります。

施設を探してハローワーク通いしていた私は、次に市の福祉課に通うことになります。
事業所を利用するために必要な「サービス受給者証」を発行してもらう必要があります。
そのために、市からの聞き取り調査や、サービスをどのように利用していくかの計画書などを提出する必要があります。
特に計画書については、先のことまで考えなければならないので大変でした。

◆  ◆  ◆

このような流れを経て、いま私はほまれの家横浜に通所しています。

結局会計業務ではなく、事務代行の業務を行うことになるのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。
簿記の勉強も業務の傍ら少しずつ進めています。

これからも業務と勉強の双方を頑張っていきたいと思います。

あわせて読みたい記事

【体験談】就労継続支援A型事業所を利用してみて
就労継続支援A型事業所から一般就労へ…!
障害者手帳について
【インタビュー】会計チームでの日常業務と今後の目標
障害者事業所の支援者から利用者へ立場が変わってみて
体験談A型事業所の求人を見つけてから雇用まで
就労継続支援A型事業所の職員になったきっかけ
就労継続支援A型事業所から一般就労へ(続編)
リスタートを切って ~私のこと、職場のこと~

※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所ほまれの家横浜」のココアが執筆しました