発達障害について
こんにちは。イッシーです。
私は、「発達障害」の当事者であるために、障害者雇用枠で働いたり、就労継続支援A型事業所であるほまれの家横浜を利用したりしています。
今日は、「発達障害」について、少しだけですが、掘り下げてお話ししていきたいと思います。
発達障害の分類ととらえ方
発達障害は、昔に比べれば認知度も上がっていると思います。しかし、いわゆる「目に見えない障害」であることに変わりはないため、私も含めて、当事者の中には障害についてなかなか理解されにくいと感じている方も少なくありません。
ちなみに、発達障害には大きく分けて以下の3つがあります。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
コミュニケーションの苦手さや、行動や興味が限定されているなどの特徴がある障害 - 注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意力や集中力が欠けていたり、多動性(じっとしていられない)などの特徴がある障害 - 学習障害(LD)
知的な発達の遅れはないが、読み書き計算などが困難な障害
もう少し詳しく知りたい方は こちら。
ちなみに、私は上記1の「自閉スペクトラム症」の当事者です。
「〇〇の数値が、何以上なら発達障害」というように、明確な基準が存在していないことや、「グレーゾーン」という言葉があることからもわかるとおり、発達障害という概念は、あいまいなものです。1の「自閉スペクトラム症」の「スペクトラム」という語も、「境界があいまいで連続している」というような意味を持っています。
上記のどの障害の人が、どんな特性を持っているのかは、数多く出回っている本やインターネット上の文献を読めば、だいたい知ることができます。
しかし、たとえば「自閉スペクトラム症」という診断を受けている方がいたとして、「自閉スペクトラム症」だから、絶対にこういう特性を持っているということはあまりないと思われますし、まして本やインターネット上の文献に書かれている特性がすべてあてはまる方に出会うことも、めったにないはずです。
当然のことではありますが、発達障害の方も、定型発達(健常者)の方と同じように、特性も性格も人それぞれなので、当事者に接する場合も、支援する場合も、こういう障害を持っているからどう、という考え方ではなく、その人自身を理解することを第一に考えることが重要になってくるのかなと思います。
たとえば私の場合、職場ではこんなことで困ります
ここまでお話ししてきたように、発達障害だからどう、というのは一概に言えないものですが、多くの人にあてはまるキーワードのひとつが、「バランスの悪さ」だと思っています。
ここからは、このバランスの悪さについて、ある程度具体的なイメージを持っていただくために、私自身のことをお話ししていきたいと思います。
まずは、「コミュニケーションが苦手」という点に着目します。
私の場合、業務上の事務的なやりとりではそこまで不自由しない一方で、雑談や世間話がまともにできないという問題があります。自閉スペクトラム症の方には、このようなケースが多いようなのですが、自分自身がなぜそうであるのかを考えてみました。
事務的なやりとりと雑談の決定的な違いは、「何を話すべきか」が決まっているか、いないかだと思います。
私は、仕事で社外の方と商談をしたりするような機会がないため、相手の出方によって、話し方や内容を臨機応変に変えなければならないという場面に遭遇することは、さほど多くありません。
業務を進めるうえで、不明な点について質問する、現状を報告する、判断に迷う部分を相談する、ふと思い浮かんだ何かを提案する、人に何かを教えてあげる。いずれにしても、「どう伝えるか」は工夫が必要ですが、「話すべき内容」は明確です。結果として、業務上で「何を話せばいいのかがわからなくなる」ということは、あまりないのです。
一方で、雑談になると、「自分から話題を提供する」ことはハードルが高めであるにしても、せめて提供された話題に対して、気の利いた受け答えをしたり、そこから話を膨らませたりすることができないと、どうしてもコミュニケーションが受け身一辺倒になってしまいます。
私の場合、まさにこういう状況に陥ってしまうのです。興味のあることが少ないために、話の引き出しが多くないのは仕方ないとして、何を話せばいいのかがわからなくなってしまって、つまらない受け答えをしたり、相槌を打つだけだったりして、会話がすぐに終わってしまうことが多いのです。
コミュニケーション面以外でも、パソコンを使って細かいデータを処理したりすることは得意である一方、同じ細かい作業でも、手先を使った緻密な作業ではかなり苦労するなど、得手不得手が両極端に分かれる傾向があります。
こうしたバランスの悪さが、発達障害の人が生きづらさを抱えていたり、職場での配慮を必要としたりする理由の一つだと思っています。
様々な立場の人が生きやすい世の中に
障害に関することのみならず、今の世の中では、多様性を受け入れることが広く浸透しつつあります。
私自身も、自分が障害者として生きているという事実にかかわらず、目に見えないものほど理解されにくいということを念頭に、いろいろな立場の人のことを考え、理解していかなければと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のイッシーが執筆しました。