【体験談】発達障害、うつ病と共生するためのアレコレについて
こんにちは。
就労継続支援A型事業所・ほまれの家横浜デザインチームのSです。
今、この原稿を書いているのは6月中旬の梅雨入りで湿度と寒暖差が激しい最中。
メンタルを患っている身には気持ちの浮き沈みが堪える毎日です。
多分、この記事を読まれている方々にも何らかの疾患を抱えている人が多いと思いますが、なにとぞご自愛くださいませ。
さて今回の記事ですが、僕は先天性の発達障害を抱えています。
この障害は各個人によっても特性が大きく異なるため、なかなか理解してもらうのが難しいことが多いですが、自分の特性や困り事をつらつらと書いてみれば理解への一助にも繋がるかな? と思い立ち、筆をとってみました。
とは言っても難解な文章を書くつもりは全く無いので、気楽に読み飛ばして頂ければ幸いです。
「なんだか僕はおかしい…?」
子供の頃から
- 何気ない一言で相手を怒らせてしまう。
- 自分の意図が相手に上手く伝えられない。
- 忘れ物が異様に多い。
- 運動神経が極端に鈍い。
など対人関係や日常生活の凸凹が激しく、マイナスな意味で「なんだか自分は普通の人と違うらしい…??」と思ってはいたものの、周囲からは「なんだかトロいヘンな奴」で片付けられており、実際の診断が下りたのは30代に入りうつ病で仕事を退職した折に精神科へ受診をしてからでした。
再診時に知能検査を受けて判明したのが、
- 言語性IQ(作動記憶:単語や物事を理解し、考える力・言語理解 、聞いた情報を一時的に記憶し、作業をする力)の数値は130で平均より少し高い。
- 反対に動作性IQ(処理速度:見た情報を把握し、視覚情報から非言語的な概念を読み取る力・知覚推理、動作を速く、正確にこなす力)の数値は76で知的障害スレスレ。
- 幼少期から動作性IQの不足分を言語性IQで補いながら生活をしていてそのアンバランスから起こるストレスが蓄積した結果、二次障害としてうつ病を発症したためこれからの日常生活で言語性と動作性の乖離を埋めて行くことが必要。
という内容でした(成人の動作性、言語性の平均数値は約120)。
お化けの正体、発見?
診断を受けてからまず考えたのは
「障害が治しようのない生来のものなら、自分の場合は、その副産物のうつ病とは医療と服薬で折り合いをつけながら一生付き合わなきゃならないな」
ということでした。
ただ、今まで自分の中でもやもやと訳の分からないお化けのように渦巻いていた不安が、発達障害という診断がおりたことで悩みの正体に輪郭が付いて、日常の困り事にある程度の事前対処ができるようになったのは大きな収穫でした。
人と的確にコミュニケーションを成立させるには…??
今の僕が他者とのコミュニケーションで気を付けているのは以下の四点。
- 仕事の指示を受ける際は多少時間がかかっても、分からないことはその都度確認をとる。
- 人と会話をする際はまず聞き役に徹して、要点で相槌を打ちながら相手が話したいことをすっかり放出するのを待って自分の意見を述べる。(脊椎反射で言葉を返さない)
- 自らの意見を述べる時は自分が相手の立場ならどう考えるかを念頭に入れて、上から目線の物言いにならないように注意しながら対話をする。
- 自分のキャパシティ以上の判断を迫られる時はいったん冷却期間を置いて、その場で無理矢理に決断や対応するのを避けて周囲に相談してみる。
この四点に気を付けていると他者とのコミュニケートは自分としてはスムーズになり、逆にこれが出来なくなりだすとメンタルが不調のシグナルとなり、頭を冷やすことが必要と気が付けるというわけです。
「障害」や「病気」だけが自分の全てなの? 「んなこたぁない」
この記事をお読みいただいている方の中には今まで健常者として生きて来たのに、ある日突然、発達障害やうつ病の宣告を受けて途方にくれたり、周囲から自身を障害者とカテゴライズされることに抵抗を感じる方もいると思います。
ただ、障害や病気だけが自分のアイデンティティでは断じてなく、それらは自身の全人格を構成するたくさんの要素の一つに過ぎない、と僕は考えています。
そこだけに囚われて、劣等感で自分を否定してしまうことだけは、お互いにしないようにしましょうね。
自分をしっかりと愛せない人間は、やがて他者もいびつな形でしか愛せなくなってしまいます。
せっかく生まれて来たからには人を愛せる自分を愛して、良い意味のナルシズムで自分を肯定する術を会得したいなぁと、恥ずかしながら我が身を顧みて思う次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
更新をどうぞお楽しみに‼
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のSが執筆しました。