野球観戦記
まだ蒸し暑さが残る9月末、たまたまプロ野球のチケットが手に入り横浜スタジアムに足を運んだ。
野球観戦は何年振りだろう。思い出せない。
常々、スタジアムで野球観戦したいと思っていたが、種々の事情によりどうしても優先順位が後ろになってしまう。
今回の野球観戦の目的は「観戦しながら生ビールを飲む」と決めていた。
スタジアム内をかなりの時間歩いて、ようやく座席についた。
グランドと周りを見渡すと、過去の記憶が蘇り、何とも言えない高揚感に包まれた。
小学校低学年までは野球少年で、毎年ファンクラブに入会し、度々スタジアムで観戦していた。
横浜(当時は大洋ホエールズ)のファンクラブ会員でありながら、熱狂的な阪神ファン。
バース、掛布、岡田などスター選手が多数存在した阪神タイガースの全盛期が自分にとっても野球少年の全盛期だった。
阪神タイガースのTシャツと帽子を身に着けて毎日学校に通っていた。
とはいえ今の私は、野球事情をあまり知らないので、色んな人に話を聞いたところ、観戦するこの試合は、横浜ベイスターズが3位以内を確定できるか否かに関わるとても重要な試合で、しかもジャイアンツ戦。
スタジアムは超満員。熱気も凄い。
ビール片手にボールのゆくえを真剣に追う。自然とリズムに合わせて応援している。
スタジアムの環境に慣れ少しだけ気持ちに余裕ができた時、ふと思った。
これだけ人を興奮させる野球、スポーツって凄いなー。
同時に、なぜ人々はこんなに興奮するのだろう、という単純な疑問が浮かんだが、そこは敢えて深追いしないことにした。
投手が投げる球のスピード、キャッチャーのミットにおさまる時の音。
バッターが打った時の音や打球の鋭さ、走塁の速さ…。
思わず「おーーー」と唸る。
ビールのペースもいい感じで進み、夢中で観戦しているうちに投手戦となった試合は、1-0で横浜ベイスターズのリードであっという間に9回に突入。
スタジアムの盛り上がりも最高潮!
とその時「疲れた」隣にいた娘がポツリ。
自分の世界に入り込んでいた為、娘の声で我に返ったような感覚だった。
「そうだね。そろそろ帰ろうか」
熱くなるのもいいが、中庸がいい。
9回最終回に固執せず、スタジアムを後にした。
心の中はまだ興奮がおさまらないが、娘と会話しながら気持ちを落ち着かせて帰宅の途についた。
日々の慌ただしさに甘えて、娯楽を楽しむ時間を省いてきたが、これからはこんな時間をもっと大事にしたい。
ヒロチ
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のヒロチが執筆しました。