高校球児たちのもう一つの夏 ~定時制・通信制高校の甲子園~
知識は、豊かさへと続く道ではあるが、その道を進む決心がなければ豊かにはなれない。
~思考は現実化する ナポレオン・ヒル~
こんにちは、ほまれの家の菜摘草司です。
私は普段土曜日には寝ていたりラジオを聞いたりしているのですが、先日たまたまTVを見ていると「定時制・通信制高校の甲子園」という番組が流れてきました。
その時放送されていたのは「全国高等学校定時制通信制軟式野球大会」の準決勝の試合で、優勝候補筆頭で大会15連覇の強豪校天理高校と、かたや世間的にはあまり名の知られていない大智高校の試合でした。
大智高校は天理高校に初回5点を入れられ、やはり前評判の高い強豪校の力には勝てないのかと思っていたのですが、途中で外野手である天理高校のキャプテンが体調不良で降板すると、大智高校のピッチャーと打者が勢いづき、とうとう逆転。
その後試合は進み最終回。
なんと12対13で大智高校が勝利したのです。
大智高校のピッチャーは最終回までに180球(普通の試合の約倍の投球数)を投げているにもかかわらず、ひたすらキャッチャーのミットめがけて投げ続け、最後はストライク空振りの三振を決め、チームを勝利に導きました。
大智高校のピッチャーは中学時代、野球を途中で止めてしまいました。
そして、定時制高校で再チャレンジしたのです。
しかし、この日は最後まで全力で投げ切りました。
◆ ◆ ◆
彼らは昼間もしくは夜間働きながら、定時制の学校に通ったり通信制の課題を家で勉強し、月に何回かのスクーリングをしながら卒業を目指し、その一方で野球の練習も続けています。
中学時代に引きこもりや不登校、家庭の事情などで高校受検を断念した子や、高校に入学したものの中途退学などで止めてしまった子など、様々な事情を抱えている子供たちが、定時制・通信制高校に再チャレンジし、勉強や部活動など様々な経験を経て大人へと、人生の豊かさへと一歩ずつ歩いていく姿をみて、私は思わず目頭が熱くなりました。
冒頭の言葉は私が直前まで読みふけっていた本の引用ですが、まさにこの言葉通りだと彼らの姿に教えられた気がしました。
2023.9.22(金)放送、NHK総合
~同時ドキュメント 「定時制・通信制高校の甲子園」~
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」の菜摘草司が執筆しました。