おでかけ
私は知らない場所に行くのが好きである。
家族と、友達と、一人で、どんなシュチュエーションでもOK。
海、河、山、街、どんな場所でもOK。
10分でも、1時間でも、1日でも、何日でもOK。
10分あったら地元のスーパーへ。
1時間あったらいけるところまで歩いてみる。
同じ場所に座って人間観察も楽しい。
1日あったら何をしようか考えて…
絶景を眺めるもよし、博物館や美術館、ウインドショッピングも楽しいな。
美味しいものを探すのも嬉しい。
歩くのも、自転車もいいなぁ。ドライブも楽しいし、バスや電車や飛行機に乗るのもいいなぁ。
どこかに行きたくなってきた!!
私はなぜおでかけしたくなるのだろう?
あまり考えたことはなかったが、ある時ふと気になって考えてみた。
私の父はいわゆる転勤族であった
私の父はいわゆる転勤族であった。
小学校から専門学校まで八つの学校にお世話になった。
家族は一緒にいたほうが良いという父の考えで、行きたくて受験して入った高校もうむを言わせてもらえず一年生の夏休みに転校した。
情け容赦のない辞令だったので、子供の事情など一切考えずに学年の途中で国内を転々と引っ越していた。
今思うとなんと理不尽な上司だったのだろうか。
高度成長期の企業戦士であった父に連れられ、まさしく鶴の一声で家族6人の大移動である。
家族はいい迷惑である。
学校に慣れたころには次の場所へ移り住む。
言葉の違いを受け入れてもらえない地域もあった。
先生は悪気はないのだろうが、正しい(標準語といわれる)イントネーションで発音する私に教科書を見本として読ませた。
子供たちはそれが面白くない。
孤立する場面もなんとなくあった。
そんなこんなで次第に人と深くかかわる事をあきらめた様である。
それでも悪いことばかりではない
それでも悪いことばかりではない。
小学校では自分の住む地域について学習するが、町、市、県、地方全て別の地域の学習をした。
土台がないので全て一から知る必要があり、地域ごとで配られた資料集をよく読んだ。
町の成り立ちや地域の特徴がどのようにして出来上がっていったのか知るのは楽しかった。
共通することもあるが、地形、気候、風土、その土地ならではの風習や産業が必ずある。
まさに知っている場所が全国に増えていったのである。
旅行で立ち寄るのではなく住んだことがある場所がたくさんある。
飛び込まざるを得なかった子供の頃に得た貴重な経験である。
私は海外に住んだことはないが、きっとどこでも生きていけるし楽しめる自信はある。
今ではこの場所は果たしてこれからどこに向かっていくのか想像するのがとても面白い。
この地域の学習が私のおでかけ好きの原点であるのは間違いなさそうである。
もう一つ。
両親は同郷だったのでどこからでもお盆とお正月には両親のふるさとへ連れて行ってもらっていた。
帰省のついでにいろんなところに旅行もしていたように思う。
私にはふるさとといえる場所はないが、両親の実家がふるさとのような気がする。
公共交通機関を使うとお金がかかるので、エアコンもない車にすし詰めではあったが、まさしく家族旅行をしていたわけである。
豊かな子供時代である。
父に感謝!!
ちょっと複雑な経験や気持ちにさせた事もある出会いにも感謝!!
横浜市民になって26年。一つの地域にこんなに長く住んだのは初めてである。
幼馴染はいないけど戦友のような子育て仲間がいる。
同窓会をしようと誘ってくれる旧友がいる。
受け入れてくれる家族がいる。
幸せな人生である。
さあ今度は誰とどこに行こうか。
2023年5月
ほまれの家横浜 DO
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のDOが執筆しました。