就労継続支援A型事業所で叶えた「働く」という夢
いつも大変お世話になっております。
就労継続支援A型事業所の利用者のKYOUSUKEです。
朝日の光が差し込むオフィスで、今日も仕事に取り組んでいます。
デスクの上のパソコンに向かいながら「働く」ということの幸せを、しみじみと感じています。
5年前の私には、想像すらできなかった光景です。
前職でのパワハラがきっかけで発症したうつ病により、希死念慮と闘いながら、ただベッドで横たわり、天井を見て過ごす日々。
それが私の日常でした。
カーテンを閉め切った部屋で、スマートフォンの通知音さえ怖くて、誰とも連絡を取りたくない日々。
気づいたら過食に走り、体重は20キロも増加。
着られる服も減り「このまま消えてしまいたい」なんて思いが、常に頭の中をぐるぐると回っていました。
絶望の淵から見つけた光
そんな時、担当医から一つの提案がありました。
「就労継続支援A型事業所という選択肢もありますよ」
正直なところ、最初は半信半疑でしたが、
「また、うつ病になる前のように、働けるかもしれない」
そんな一筋の光に、おそるおそる手を伸ばしてみることにしました。
3年半前から実際に通い始めた、神奈川県横浜市の就労継続支援A型事業所(以下、A型事業所)・ほまれの家横浜は、私の想像とはまったく異なるものでした。
明るい雰囲気の中で、利用者さんの皆さんが自分のペースで働いている。
休憩時間には自然な笑い声が聞こえ、どこか温かな空気が流れていました。
支援員さんは「まずは慣れることから始めましょう」と、私のペースに合わせてくれました。
最初の数週間は、何が得意かをよくヒアリングしてくれました。
また、事業所の雰囲気に慣れること、基本的な作業に取り組むことから始めました。
新しい可能性との出会い
私が配属されたのはWeb制作チーム。
それまでWeb制作の経験は全くありませんでした。
HTMLやCSSという言葉すら聞いたことがない状態からのスタートです。
でも、チームのメンバーと一緒に勉強を始め、少しずつスキルを身につけていきました。
わからないことがあれば、同じチームの利用者さん同士で丁寧に教えあう。
失敗しても、「次はこうしてみよう」と建設的なアドバイスをしあうことができる。
はじめは、Weordpressの勉強から始まり、やがてWordpressでのWebページの制作。
そして今は一人でWebサイト制作ができるようにまでなりました。
できることが増えていくたびに、小さな達成感を味わうことができました。
そんな小さな積み上げを続けていくうちに、社外からご依頼いただいた石川県の民宿のWebサイト制作を担当させていただきました。
うつ病になった後では、私にとって初めての経験です。
2024年の夏ごろの話です。
クライアントさまと何度も打ち合わせを重ね、要望を丁寧に反映させていく過程は、緊張の連続でした。
時にはクライアントさまのおっしゃる言葉の理解が追いつかず、同じ質問を何度もしてしまうこともありました。
でも、クライアントさまは、私のあまりハッキリしない説明にも耳を傾けてくださり、一緒に最適な解決策を考えてくださいました。
完成したサイトに「想像以上の出来栄えです」という評価をいただいたときは、思わずジーンときました。
誰かのお役に立てる喜び、必要とされている実感。
それは何物にも代えがたい経験となりました。
ただ、すべての日が順調というわけではありません。
今でも普通のときと悪いときのメンタルの波が強く出て、ベッドから起き上がれない日があります。
たとえ出社できても、なかなか前向きな気持ちになれない時もあります。
でも、A型事業所では、そんな日があることを、当然のこととして受け入れてくれます。
体調不良で早退したい旨を相談すると、「ゆっくり休んでね」と、温かい言葉をかけてもらえます。
業務量の調整や、必要な休養を取ることも、働き続けるための大切なスキルとして認められています。
この理解ある環境が、私の心の安定に大きく貢献しています。
成長の実感と「当たり前」に過ごせる幸せ
A型事業所での働き方の特徴は、無理のないステップアップです。
通い始めて4か月がたったころ、私の場合、ITパスポートの資格に興味を持ち始めたことを話したところ、就業時間中にも学べる機会を用意してくださいました。
定期的なアンケートでは、
「今後、取り組みたい仕事、または、新しい仕事のアイデアなど、次はどんなことにチャレンジしてみたいですか?」
「今後、勉強したいことは何ですか」
など、丁寧に自分の今の状況や意見を聞いてもらえます。
また、ほまれの家横浜では「自由通信」という制度もあり、支援員さんや社長さんとのコミュニケーションもしっかり取れるんですよ。
これらのこともあり、「普通」に生活し、普通に「働く」ことができる幸せを実感しています。
- 朝起きて、身支度をして、職場に向かう。
- 同僚と挨拶を交わし、日常的な会話を楽しむ。
- 自分の担当業務をこなし、時には新しい挑戦をする。
こんな「当たり前」の日常が、どれほど尊いものか。
今の私には、痛いほど分かります。
これからA型事業所の利用を考えているあなたへ
- 「働きたいけど、自信がない」
- 「就職活動に踏み出せない」
- 「体調と仕事の両立に不安がある」
そんな気持ちで悩んでいるあなたへ。
かつて私も、まさに同じ思いを抱えていました。
今この文章を書いている私自身、5年前はベッドから起き上がることすら困難だったのです。
でも、A型事業所には、あなたの気持ちに寄り添ってくれる仲間がいるかもしれません。
支援員さんも、同じ利用者さんの仲間たちも、みんな、あなたの気持ちを理解してくれるかもしれません。
一般企業とは異なり、体調に合わせた勤務時間の調整や、段階的な業務量の増加が可能です。
あなたのペースを大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいけます。
新しい一歩を踏み出すために、まずは見学から始めてみませんか?
見学で気に入れば、体験をして、実際の雰囲気を感じていただければ、きっと新しい発見があるはずです。
私の隣では今日も、同じように不安を抱えていた利用者さんの仲間が、新しい仕事にチャレンジしています。
時には戸惑いながらも、少しずつ成長していく姿を見ると、不思議と自分のことのようにうれしくなります。
もしかしたら、あなたにも素敵な出会いと新しい可能性が待っているかもしれません。
たとえ今は不安でいっぱいでも、大丈夫。
私たち仲間が、共に歩みます。
あなたらしい働き方を、一緒に見つけていきませんか?
あなたの「働きたい」という気持ち、叶えてみませんか?
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のKYOUSUKEが執筆しました。