世の中には世界を巻き込んで前に進む人がいる
おーはようございまーす!
神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」Webチームのオッサーです。
ここ最近のオッサーは、
人と人の関わりの中で、新たなコミュニティを形成し、新しい価値を作り出せる人々を尊敬
しています。
リスペクトと書いてしまうとちょっと軽い語感のような気がするので、「尊敬」と書きます。
例えば世の中には、「気持ちよく相手に動いてもらえる」ように促せる人々がいるじゃないですか。
超尊敬です。
そんなオッサーもそれなりに頑張ってますよ。
具体的には、
- 何かを間違えたら「ごめんなさい」と謝る。
- 誰かが自分のために何かをしてくれたと感じたら「ありがとう」と伝える。
そんな2つだけでも、意外と物事は円滑に進み、なんとかなるものです。
先日、とあるテレビ番組を見ていたら、そんなオッサーの心を撃ち抜いた、
「世界を巻き込んで前に進む人」
を見かけました。
そんなわけで、そんな人のご紹介とオッサーの記録を兼ねて、今回のブログにしたいと思います。
定住先で挑んだ赤字ホテル再建
見ていたテレビ番組は、例によって、NHKの「いいいじゅー!!」という番組。
いま、移住への関心が高まっています。
「いいいじゅー!!」は、新しいライフスタイルや生き方を求めて一歩を踏み出した人々に密着するドキュメント。
移住先の生活は? 仕事は? 人間関係は? 移住のリアルをご紹介。
友近さんのツッコミとあったかいナレーションで、移住者たちのチャレンジを応援します!
この番組に関しての説明は、かつてオッサーが書いたブログもご参照してくれたら嬉しいです。
今回、このブログで紹介したいのは、沖縄県恩納村に移住した、一人の男性の話です。
「沖縄・恩納村」
初回放送日: 2023年4月11日移住を通して新たな生き方に挑む人々をドキュメント!赤字ホテルの再建を任されて沖縄に移住。経験ゼロを逆手にSNSでアイデア大募集!皆の力でホテルはどう変わるのか?
https://www.nhk.jp/p/ts/J7775NQ8GW/episode/te/W3QM9RR52K/
今回の主人公は元・旅するYouTuberで、10年かけて世界を3周、訪れた国は約90ヶ国という人物。
彼は、かつてに自分についてこう語ります。
- 「1週間いたら次の国……みたいな感じで、とにかく新しいものを知ることが好きだった」
- 「住むこと……に、まったく重きを置いていなかった」
そんな彼が、沖縄に移住します。
新たな職場はなんと、経営困難に陥った赤字ホテル。
そんな赤字ホテルを、彼は、これまでに培ったSNSの技術のすべてをつぎ込んで、経営再建に挑みます。
彼が挑んだのは、みんなの意見を募ってのホテルの部屋の大改造。
沖縄の人を巻き込んだ前代未聞の取り組みがうまくいくのかいかないのか。
オッサー自身はここまで見て、これまでの経験則で思います。
- 口では協力してくれると言っても、本当に協力してくれる人は多くない。
- だけど、本当に面白いと思わせることができたなら、協力してくれる人は現れる。
さあ、彼の挑戦はどうなったのか。
SNSを駆使して行ったホテル改革
実はこの彼、本人は「旅人」に軸を置きながらも、これまでにも大手旅行サイトや大手グルメサイトに寄稿する一流のライターだったりしました。
【参考】ど素人の正体。なぜ沖縄のホテル再建をすることになったのか
【参考】ど素人が大赤字リゾートホテルを建て直す、SNSを駆使した前代未聞のプロジェクト|片岡 力也(SAGOJO)
【参考】
tikitok:4610_hotel ど素人ホテル再建計画 @沖縄県恩納村
Twitter:ど素人ホテル再建計画 / SNSから生まれたみんなで作るホテル
この番組では、そんな彼が、まったくホテルで働いた経験がない「ど素人」と自分自身を定義・設定して、SNSを通じて世の中にホテル再建計画を発信していく様子を、番組で紹介していました。
ホテルの経営再建にあたり、観ておきたい動画はこちら。
番組で紹介されていた動画では、
- 「僕はいきなり沖縄の大赤字リゾートホテルの再建を託されたど素人」
- 「今日は2022年2月時点でのホテルの現状を話す」
- 「客室は18室。稼働率は15%。開業して20年。デザイナーズ建築。場所は沖縄県恩納村」
- 「宿泊料はピークの1/3。併設レストランは休業中」
- 「SNSの運用は昨日まで皆無。このままだと売却の可能性有り。従業員は現状2人」
- 「そして僕はホテルのアルバイト経験さえ皆無」
- 「こんな感じだが、必ず黒字化させてやる」
という自己紹介をしていた彼。
彼がこのリゾートホテルの経営再建に取り組むことになったのは、若いホテル2代目社長からの協力要請がきっかけ。
2代目社長は、こう語ります。
- 「コロナに入ってあれよあれよと業績も悪くなって、どうしようかなと悩んでいる時に」
- 「(彼が世界一周をしながら)写真を撮ったり住んでいる人と仲良くなった映像を出していて」
- 「自分たちのホテルでも、そんな感じで楽しくできないかな? と思って」
そもそも学生時代から旅が好きだったこの彼。
撮影や編集の技術を身に着け、世界各地の旅先から動画を次々と発信し、人気を集めていたとか。
3度目の世界一周旅行には、新婚旅行として出発していた彼。
その際に、新型コロナウイルスの影響で、アフリカのカーボベルデ共和国という島国から一歩も出られなくなってしまいます。
物価が日本の倍以上するその島国で、長く足止めを喰らっては困窮、いや、野垂れ死ぬ。
そう考えた彼は現地で働きながら生き延びる覚悟を決め、労働ビザを取得するために、現地カーボベルデ共和国のPR動画を作成し、地元メディアに売り込みます。
その動画がこちら。
その結果、現地のとあるメディアから
- 「カーボベルデ共和国を世界に発信しようとしている日本人夫妻を取材したい」
という取材依頼が舞い込み、その記事が世に出ると、カーボベルデ共和国オリンピック委員会から
- 「来年の東京五輪に向けて親善大使になってほしい」
という依頼が舞い込んだとか。
【参考】新婚旅行先でまさかの五輪大使 アフリカの島国で足止め(朝日新聞DIGITAL)
そんな様子を記事で見かけたホテル2代目社長が、彼に助けを求めたそうです。
彼は帰国後、突然の依頼にに戸惑いながらも、まず客としてホテルに訪れてみました。
すると、
- 愛嬌たっぷりのスタッフ
- ラフテーのとろろがけ、豆腐ようソースのかかったグルクンなど、地元の食材をふんだんに使った豪華な朝食
- すぐそばには美しい海
などなど、経営難のホテルとはいえ、十分な底力を感じたそうです。
「こんなに魅力的なところなら、もっと多くの人に知ってもらいたい」
そう考えた彼は恩納村に拠点を置いて、これまでに培ったSNSの技術をすべて、このホテルにつぎ込むことに決めたのです。
フォロワー参加型企画発動とその成果
まず彼が取り組んだのは、ホテルの認知度を上げるために毎日動画をアップ。
その努力の甲斐もあり、フォロワーは2万人を突破。
そこで一つ、彼はとある経営方針を発表します。
それは、「各部屋完全異空間システム」。
これは、ホテル内にある18室すべてに、それぞれのコンセプトを決め、フォロワーと協力して一つ一つの部屋を作り上げていくというもの。
部屋ごとに家具や内装を全く違うものに変えることで、何度もこのホテルに泊まりたくなるようにする作戦とか。
その客室のアイデアを、SNSのフォロワーから募り、最後は多数決で決めてしまおうというもの。
- 「人に認知されたり好かれるホテルになれば、世の中の人も泊まりたいと思ってくれる」
- 「だから色んな人の意見を聞くのがいいんじゃないかと」
- 「みんなで作っているホテル……にしたいんです」
フォロワーにとっては、自分のアイデアや意見を出せて、もしかしたら自分の案がたくさん共感されて、自分の提案した部屋が採用されるかも知れない。
彼にとっては、ホテル経営はど素人でなのでわからないことだらけなので、多くの意見やアイデアを募る。
ここに見事なWin-Win関係が生まれたということなんでしょう。
ただ、いかんせんフォロワーが数万人のSNS。
一日に寄せられるコメントは2000を超えることも。
- 「うちのホテルは結局、僕から何も営業をかけていなくて」
- 「僕からは動画を発信しているだけで、動画を見た視聴者さんが"協力したい"と言ってくれたことで、色々なプロジェクトが進んでいるんです」
- 「それ(SNSに寄せられるコメント)を僕が見てなかったとすると、何も生まれないんですね」
熱意ある企画者がいて、誰もが参加できる、赤字ホテル再建プロジェクト。
これがフォロワーの心を掴みました。
多くの協賛が申し込まれるホテルへ
その後、このプロジェクトは多くの人々を巻き込みながら「そのホテルのファン」というコミュニティを形成し、「各部屋完全異空間システム」の第一号の部屋のコンセプトが決定します。
そのコンセプトとは「ドライフラワー部屋」。
ホテルの中では、とても日当たりが悪い部屋で、そのデメリットをメリットに変えるアイデアだったとか。
そんなコンセプトの部屋の制作を、協力したいと申し出る人が登場します。
それは、地元で工務店を営む夫婦。
妻はドライフラワーのアーティストで、夫はモルタルの造形師というご夫婦でした。
その制作過程を丁寧に、動画配信を続けて行ったところ、協賛したいという地元の企業が挙手してくれます。
- 建設資材会社から提供されたフラワーアーチ、
- 電気職人さんから提供されたアンティーク調の照明器具、
- マクラメのアーティストから提供された装飾品
などなど。
- 「本当にいろんな人と一緒に作ったというのが、すごい思い出にも残っていますし、僕の好きなところですね」
そして、完成した部屋が、こちら!
全国のフォロワーのアイデアを集めて、地元・沖縄の人々の協力で実現した、初めての部屋。
「みんなで作っているホテル」というコンセプトを象徴した部屋が完成しました。
そんな彼には、こだわりがあります。
- 「(協力を申し出てくれた人々に対して、フォロワーが)"彼らは何者なんだ?"と思うような撮影をしたい」
- 「だけど途中で、制作の過程とかを見せて"ちゃんとしてるじゃん、すごいじゃん"みたいな感じで」
- 「(フォロワーを)徐々に(協力を申し出てくれた人々の)ファンにしていくことで、PRとしてのお返しもあるし」
- 「この部屋に泊まってみたい人たちを増やす」
自分が作った動画を配信することで、協力を申し出てくれた人々に対しての恩返しになるとか。
ここまで彼の話を聞いてきて、あることに気がつきます。
それは、このプロジェクトにお金のやり取りが発生していないということ。
にもかかわらず、
- スプレーアートのアーティストが制作した宇宙部屋
- トルコランプ店の協力のもとに施工予定のトルコランプ部屋
などなど。
それどころか、地元で創業70周年の老舗建設会社もホテルに協力を申し出ました。
- 「先に僕がギブされてるんで、明らかに。明らかに僕が色々な人からギブされてるんで」
- 「絶対、もらった分以上は返したい」
そう語る彼が展開する、SNSをきっかけとして生まれた人と人との関わりは、どんな新しい何かをこの世に産み出すのでしょうか。
【参考】ドライフラワー部屋で「ドライフラワー沖縄Ver.」で歌ってみた!!【ド素人ホテル再建計画スペシャルコラボ】
人と人との関わりの中で生きていく
番組で紹介されていた内容と、オッサーが自分で調べた内容でかなりの文字量を使ってしまいました。
オッサーが初めて彼の存在を知った時の感想は、ただただスゴイなーという感想でした。
- 何かを一緒にやってみたいと思わせる仕掛け
- 喜ばせて楽しませてイベントに巻き込んでいく仕組み
- イベント後、現地に行ってみたくなる興味のそそらせ方
何よりも、
- 自分にギブされた以上の何かを相手にテイクしてもらうという気合い
に心打たれたのかも知れません。
気持ちよく相手に動いてもらい、協力してもらって、みんなで楽しみながら新しい何かを産み出し、ギブされた以上のものを相手にテイクしてもらう。
世界を巻き込んで前に進んだ結果、コミュニティが生まれ、広がり、深まっていく。
人と人との関わりの中で生きていく。
単なるPRの成功事例としてだけでなく、人と人をつなげていく力強さや、世の中を変えていく一歩を生み出しているように感じて、オッサーは感動しました。
精神的に自分のことだけで精一杯なオッサーですが、こういうテレビ番組ですごい人の存在を知って、少し勇気をもらったりしています。
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のオッサーが執筆しました。