就労継続支援A型はどんな人に向いてる? 対象は?
いつも大変お世話になっております。
就労継続支援A型事業所の利用者のKYOUSUKEです。
朝、目覚ましの音で目を覚まし、「今日も仕事に行かなければ」と思いながらも、なかなか布団から出られない。
そんな経験をされている方は少なくないでしょう。
特に、障害や難病のある方にとって、一般企業での就労は大きなハードルとなることがあります。
「働く意欲はあるのに、体調や症状によって定時出勤が難しい」
「コミュニケーションに不安があり、大勢の中での仕事に戸惑いを感じる」
「以前の職場でパニックになってしまい、もう一度チャレンジする勇気が出ない」
このような悩みを抱えていても、あなたらしく働ける場所が、たしかに存在します。
それが「就労継続支援A型事業所」という福祉サービスです。
今回は、就労継続支援A型事業所(以下、就労継続支援A型)がどのような方に向いているのか、誰が対象となるのかについて、くわしくご説明していきます。
就労継続支援A型とは? 基本をわかりやすく解説

就労継続支援A型の概要
就労継続支援A型は、障害のある方が安心して働ける環境を提供する福祉サービスです。
【参考】
ほまれの家横浜
一般企業のオフィスとは異なり、障害特性への理解がある職員が常駐し、一人ひとりの状況に応じたきめ細かいサポートを提供します。
「ほまれの家横浜」では、個別に割り当てられた作業スペースに個別のパーテーションを設置し、集中して作業できる環境を整えています。
【参考】
事業所の紹介(ほまれの家横浜)
休憩室こそありませんが、体調が悪いときには、職員に一声かければ、休憩を取ることができます。
就労継続支援A型の最大の特徴は、利用者と事業所との間で正式な雇用契約を結ぶことです。
【参考】
採用情報(ほまれの家横浜)
これは単なる形式的なものではありません。神奈川県の場合、2024年10月時点で時給1,162円以上の給与が保証され、月の勤務時間や日数に応じて、安定した収入を得ることができます。
週に20時間以上の勤務なら、雇用保険の対象となり、入社後半年以上(出社率80%以上)が経過していれば、有給休暇を取得することも可能です。
また、自治体から交通費が支給される場合もあり、一般企業と大きく変わらない待遇を受けられる点が大きな特徴となっています。
就労継続支援A型と就労継続支援B型の違い
就労継続支援サービスを利用しようと考えたとき、多くの方が「A型とB型、どちらが自分に合っているのだろう?」と迷われます。
両者の違いを理解することは、適切なサービスを選ぶ上で非常に重要です。
就労継続支援A型では、雇用契約に基づいて働くため、一定の責任と義務が生じます。
たとえば、1日4時間以上、週20時間以上といった勤務時間の規定があり、決められた時間に出勤することが求められます。
給与は最低賃金が保証されているため、月に90時間勤務すれば、神奈川県の場合、100,400円以上の収入を得ることができます。
一方、就労継続支援B型は雇用契約を結ばない形での就労支援となります。
そのため、体調に応じて柔軟に働く時間を調整できる場合がある反面、給与ではなく、工賃として、作業量に応じた出来高払いが基本となります。
月の収入は平均して1万円から3万円程度で、A型と比べると大きな開きがあります。
つまり、ある程度安定した収入を目指す場合はA型、体調や状況に応じて柔軟に働きたい場合はB型が適していると言えます。
就労継続支援A型の対象者とは? どんな人が利用できる?

利用対象者の条件
就労継続支援A型の利用を希望する場合、まず「障害福祉サービス受給者証」の取得が必要となります。
【参考】
障害者のための就労体験記:手帳取得から A型事業所利用まで
【体験談】就労継続支援A型事業所の求人発見から雇用まで
この受給者証は、居住地の市区町村に申請して取得するものです。申請の際には、以下の条件が必要となります。
まず、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれか)をお持ちの方は、その手帳を提示することで申請が可能です。
【参考】
障害者手帳について
手帳をお持ちでない場合でも、医師による障害や難病の診断書があれば、申請できる場合があります。
申請手続きは、お住まいの地域の福祉課や障害福祉課で行います。
窓口では、専門の職員が手続きの説明を行い、必要に応じて申請書類の記入サポートも行っています。
申請から受給者証の発行までは通常2週間から1ヶ月程度かかりますが、地域によって異なる場合もあります。
精神・知的・身体障害、難病患者も対象
就労継続支援A型の対象となる障害の種類は多岐にわたります。
精神障害には、統合失調症やうつ病などの精神疾患に加え、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)も含まれます。
知的障害については、障害の程度を問わず対象となりますが、具体的な運用や方針は事業所によって異なる場合がありますので、詳細は各事業所や自治体の担当部署に確認することをお勧めします。
身体障害の場合は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など、さまざまな障害の方が対象となります。
また、難病患者の方も対象となります。
厚生労働省が指定する難病(指定難病)に該当する方は、医師の診断書があれば利用を検討することができます。
ただし、症状や体調の変動が大きい場合は、勤務時間や作業内容について綿密な相談が必要となります。
いずれにしても、それぞれの事業所によって利用できる対象者が違う場合もありますので、個別にお問い合わせしてください。
年齢制限について
就労継続支援A型の利用対象年齢は、原則として18歳以上65歳未満となっています。
これは、一般的な就労年齢と合わせて設定されているものです。
ただし、平成30年度の制度改正により、65歳以上であっても一定の条件を満たせば継続して利用することが可能となりました。
なお、「ほまれの家横浜」では、65歳を迎えた月の月末で、定年退職となります。
就労継続支援A型はどんな人に向いている? 適性を解説

就労継続支援A型に向いている人の特徴
就労継続支援A型は、以下のような特徴や希望を持つ方に特に適しています。
まず、安定した収入を得たいという明確な目標を持っている方です。
就労継続支援A型では最低時給が保証されているため、継続的な就労により、ある程度予測可能な収入を得ることができます。
たとえば、週5日、1日4.5時間の勤務で月90時間程度働いた場合、神奈川県の最低賃金(2023年10月時点で時給1,162円)では、月額約10万4,580円の収入となります。
次に、決められた時間に通所できる生活リズムが確立している方です。
就労継続支援A型では、一般企業と同様に定時での出勤が求められます。
「ほまれの家横浜」では、基本的には、朝10時から昼15時30分の勤務時間が、設定されています。
通所時間が決まっていることで、規則正しい生活リズムを作りやすいという特徴があります。
また、一定期間、同じ場所で継続して働くことを希望する方にも適しています。
雇用契約を結ぶことで、長期的な就労が可能となり、じっくりとスキルを習得していくことができます。
「ほまれの家横浜」では、最長で65歳を迎えた月の月末までの継続雇用が可能で、その間、段階的にスキルアップを図れる環境が整っています。
さらに、支援を受けながら働くことに前向きな方にも向いています。
就労継続支援A型には専門の支援員が常駐しており、仕事上の困りごとだけでなく、体調管理や生活面での相談にも応じています。
支援を受けることで、より安定した就労生活を送ることが可能となります。
就労継続支援A型に向いていない人の特徴
一方で、以下のような方には、就労継続支援A型での就労が適していない可能性があります。
まず、すぐに一般企業への就職を希望している方です。
就労継続支援A型は、継続的な就労の場であると同時に、一般就労への移行を目指すための訓練の場としての役割も担っていますが、すぐに一般就労を目指したい方は、就労移行支援事業所の利用をお勧めします。
就労移行支援事業所では、就職に向けた具体的な訓練やサポートを受けることができます。
また、週5日程度の安定した通所が難しい方にも向いていません。
定期的な通所が困難な場合は、より柔軟な働き方ができる事業所のご利用を、検討することをお勧めします。
就労継続支援A型のメリット・デメリット

就労継続支援A型のメリット
就労継続支援A型の最大のメリットは、安定した収入を得られることです。
最低時給が保障されているため、月の勤務時間が確保できれば、生活の基盤となる収入を得ることができます。
次に、専門的なスキルを習得できる環境が整っていることも大きな利点です。
「ほまれの家横浜」の場合、事務作業、デザイン制作、Web制作など、現代社会で需要の高いスキルを学ぶことができます。
ただし、2025年4月現在では、大変申し訳ございませんが、、デザイン制作及び「CADによる図面作成業務」「建設業のサポート業務」については募集定員に達しているため、求人募集を行っておりません。
【参考】
業務内容(ほまれの家横浜)
これらのスキルは、将来的に一般就労を目指す際にも大きな強みとなります。
さらに、障害特性への深い理解のある環境で働けることも重要なメリットです。
支援員は障害に関する理解があり、個々の特性に応じた適切なサポートを提供します。
また、同じような課題を持つ仲間と共に働けることで、精神的な安定が得られやすいという特徴もあります。
互いの状況を理解し合える環境は、働く意欲の維持向上につながります。
就労継続支援A型のデメリット
一方で、就労継続支援A型にはいくつかの制約やデメリットも存在します。
まず、一定の作業能力や体力が求められます。
雇用契約を結び、決められた時間内で一定の成果を出す必要があるため、作業の正確性やスピードが求められる場面もあります。
ただし、「ほまれの家横浜」では、個々の状況に応じて段階的に作業レベルを上げていく方法を採用しており、無理なく能力向上を図れるよう工夫されています。
また、事業所の数が限られているため、希望する場所や業務内容の選択肢が少ない場合があります。
特に、専門的な業務を扱う事業所は限定的で、通所可能な範囲内に希望する事業所が見つからないこともあります。
さらに、利用料が発生することも考慮が必要です。
障害福祉サービスを利用する際は、所得に応じた利用料(原則として収入の1割)が必要となります。
ただし、所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されており、負担が過重にならないよう配慮されています。
具体的には、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では負担上限額が0円となり、一定の所得以上の世帯でも上限額が設けられています。
就労継続支援A型の仕事内容(ほまれの家横浜の場合)

「ほまれの家横浜」では、利用者一人ひとりの興味や適性、これまでの経験を丁寧にヒアリングした上で、最適な業務を提案しています。
特筆すべきは、事務系、クリエイティブ系、Web関連という3つの分野で、実務的かつ創造的な仕事を幅広く用意している点です。
ただし、先述しましたが、2025年4月現在、デザイン制作及び「CADによる図面作成業務」「建設業のサポート業務」については募集定員に達しているため、求人募集を行っておりません。
ご了承下さい。
事務系の業務では、会計事務所や税理士事務所から依頼される会計処理や経理事務を行っています。
具体的には、領収書やレシートの細かな仕分け作業から始まり、専用ソフトを使用したデータ入力、表計算ソフトによる帳簿作成まで、段階的にスキルを積み上げていけるよう工夫されています。
初めは簡単な入力作業から始め、徐々に複雑な処理を任されるようになるため、無理なくスキルアップを図ることができます。
また、事務代行業務では、事務局の運営を請け負っています。
【参考】
事務代行業務のご紹介
現在、募集を行っておりませんが、クリエイティブ系の業務も充実しており、チラシデザイン・イラスト制作・似顔絵制作に取り組んでいます。
Web関連業務では、現代のデジタル社会に欠かせないスキルを習得できます。
企業のホームページ制作では、デザインから実装まで一貫して担当することも可能です。
また、既存サイトのコンテンツ管理やSEO対策では、アクセス解析やキーワード選定など、マーケティングの基礎も学べます。
ブログ記事の作成では、読者のニーズを考慮しながら、わかりやすく魅力的な文章を書く技術を身につけることができます。
各分野を支援する指導員が常駐しており、作業の手順から専門的なテクニックまで、段階的に一緒に学びながら業務を進めます。
また、定期的な面談を通じて進捗状況や課題を確認し、必要に応じて作業内容や方法を調整します。
さらに「ほまれの家横浜」では、作業環境にも配慮がなされています。
作業スペースには個別のパーテーションが設置され、集中を妨げない環境が整えられています。
まとめ ~ほまれの家横浜の特徴と魅力~

就労継続支援A型は、障害のある方が安定した収入を得ながら、自分らしく働ける環境を提供するサービスです。
一般企業での就労に不安がある方、しかし働く意欲を持ち続けている方にとって、大きな可能性を開く選択肢となります。
「ほまれの家横浜」の特徴は、多様な業務内容と充実したサポート体制にあります。
事務作業からWeb制作まで、幅広い業務の中から自分に合った仕事を見つけることができます。
また、経験豊富な支援員による丁寧な指導により、無理なくスキルアップを図ることができます。
まずは見学から始めてみませんか?
「ほまれの家横浜」では、随時見学を受けつけています。
実際の作業場の様子を見学し、具体的な仕事内容についての説明を聞くことで、自分に合っているかどうかを判断しましょう。
正式な雇用契約を結ぶことになるため、面接後に採否のご連絡を差し上げることにはなりますが、見学の際は、利用までの流れや必要な手続きについて、くわしく説明いたします。
お気軽にお問い合わせください。
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※このブログは、神奈川県横浜市にある就労継続支援A型事業所「ほまれの家横浜」のKYOUSUKEが執筆しました